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テレビ寺子屋
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番組内容
我々は普段、重力を意識して生活していません。よくある例えですが、宇宙飛行士が長期間宇宙に滞在すると、帰ってきて口から出る言葉は「重力がすごいですね」だそうです。自分の文化から離れて初めて「自文化」を意識する。そして、いわゆる「異文化」と出合ったときには、違和感を感じるのです。でも、異文化コミュニケーションでは、この違和感は悪いものではありません。私にとって異文化である「日本語」について話します。
番組内容2
一番大事な特徴だと思うのが、日本語は「受信者責任型言語」だということです。受信する側が解読しないといけないのです。具体例として、松尾芭蕉の「枯朶(かれえだ)にからすのとまりけり秋の暮」という俳句があり、日本文学研究者のドナルド・キーンさんがこれを英訳するときに大変だったそうです。英語にするときには「からす」が単数なのか複数なのか、「秋の暮」が日暮れなのか秋の終わりなのかはっきりする必要があります。
番組内容3
英語は「発信者責任型言語」で、発信する方が責任をもってはっきりしないといけない。キーンさんが、「日本語っていいですね、自由自在に読む人が自分で解読したらいいんだ」とすごく大切なことを書いています。「一を聞いて十を知る」というのは、日本語が受信者責任型コミュニケーションだからです。日本人は世界一の受信力を持っていると思います。これは素晴らしいことで、実は他の文化を吸収していくために大事な力なのです。
出演者
【講師】
ジェフ・バーグランド(京都外国語大学教授)
【司会】
北村花絵(テレビ静岡アナウンサー)
【手話通訳】
石川ありす
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